あの時は笑われたのに▼撮影=11/28/07 大阪ではかつてアイスコーヒーをレーコーと呼んだ。東京では通じなかった。国鉄からJRになったときに、大阪駅で一時コーヒーショップに勤めさせられていた電車運転士のKは、店ではアイスコーヒーをアイコと呼んでいた。これは大阪でも通じない。
 甘ったるいシロップとほのかなミルクが、苦い目に出したコーヒーを和らげてくれる。それをすすりながら、タバコをくゆらすのは、夏の午後の至福でもあった。ところがアメリカには、スターバックスがポピュラーにするまでは、アイスコーヒーはなかったのだ。
 大学3年生の夏休みに、アメリカを1周したことがある。点と点を直線で結ぶ、支那事変の帝国陸軍のような旅だったが、それなりに面白かった。
 何も知らなかった。そして今以上に英語は不得意だった。よくもまぁ、あんな状態で一人旅ができたものだと、我ながら感心する。若いということは、恐ろしいことだ。
 それはさておき、無知ゆえに学ぶことも多かった。
 詳細は忘れたが、ホストファミリーと外食に出た際に、飲み物はどうすると尋ねられて、日本と同じように「アイスコーヒー」と言った。
 すると一瞬沈黙があって、諭すようにこう言われた。
 「コーヒーはホット。ティーがアイス」。そして、笑われた。
 20数年前、アメリカには、少なくとも小生が見た十数箇所の街(ほとんどは大都会)には、アイスコーヒーは存在しなかった。しかし今はどうだ。スターバックスでは平気でアイスコーヒーを売っているし、コーヒー牛乳もどきまで売っているではないか! あの時笑ったのは何だったのだ。そして今度は、こともあろうに(怒ることもないのだが)、あのマクドナルドまでが、アイスコーヒーを売り出したのだ。しかも冬になってから。訳がわからん。
 スタバは、クリスマスギフト用のセットや、コーヒー豆をスーパーに卸したり、豆を仕入れているコーヒーショップに、「スタバ豆使用」の看板を出させたり、ちょっとしたコーヒー戦争になっている。
 値段が安くなりゃ、いいんだけどねぇ…。マクドナルドのコーヒーへの拘りは、ちゃんとした経営戦略だということだが、ホントに売れているんだろうか。フレーバーシロップを入れても同じ値段だというマックのアイスコーヒー、小生はまだ飲んでいない。
 だって冬だもの。