ここが入り口▼撮影=07/26/08 サブプライム問題が深刻だ、と半可通が口にする。しかし、結構誤解されているんではなかろうか。日本の新聞で、本の広告を読んでいると、サブプライム問題とは「銀行が無理やり家を買わせた」と訳の分からんことを書いているものがあった。そんな訳ないじゃないか。笑いを通り越してあきれてしまった。実際には、誰でも家を買えるように、住宅ローンを組みやすくしたということだ。勿論審査はあるが、その審査を出鱈目にして、どう考えても返済できそうにもないような人たちにも金を貸してしまった。それが焦げ付いて、住宅を差し押さえたが、評価額が下がって、売却しても貸した金が戻ってこないという愚かな図は、日本のバブルのときと同じだ。人間とはかくも歴史に学ばないものなのか、とそういうことに無縁だから、溜息をつくだけだ。まぁ、無縁とは言っても、買った家が安くなっているので、ある意味で被害を受けてはいるのだけど…。
何種類でも試食できる そのサブプライム問題で、住宅が差し押さえられたり、やむを得ず売りに出したりしている家が目立つ街がある。その多くは、大都市の中間にあって、自動車による通勤時間が2時間半までの都市。低所得者がギリギリ買える住宅が供給されたような都市だ。具体的には、サクラメントとフレズノの間にある、ストックトンやマンティーカ、サクラメントとサンフランシスコの間にあるヴァレーホやフェアフィールドなどがそれで、売り出し中の家がごろごろ出ている。ヴァレーホなど、市そのものが倒産した。カリフォルニア州も危ないらしいが、その一人当たりの債務は、日本の国民一人当たりの債務の半分に過ぎないらしい。日本はそのうちエライコトになるだろう。
 ああ、例によって前置きが長くなったが、その空き家が多く連なる、寂れた街フェアフィールドの話。
 有名なジェリービーンズ「ジェリーベリー」の工場がここにあるのだ。アメリカのたいていの工場は見学コースがあり、ここでも、工場見学をして試食を楽しみ、買い物ができるという施設がある。
迷うほどの種類 ジェリービーンズ?  そんな不味いお菓子は食いたくない。それが多くの日本人の反応だろう。小生だって、子供のころに食べた、色だけは楽しいが、味覚も感触も決して楽しくない、あのジェリービーンズを思い出すと嫌になるが、このジェリーベリーは違う。まず、感触がやわらかく、昔のあれのように粉っぽさがない。そしてカラフルな色は、そのまま天然香料を使ったフレーバーで、非常にリアルな味がするのだ。種類は限定品を入れれば、百を全部味が違う軽く超えるのではなかろうか。今も新味を開発しているということだ。
 アメリカ人は味がはっきりしているものが好きだ。悪く言うと、微妙な味の差が分からない。だからこのジェリーベリーの味は、ちょっときつい目になっている。そういう意味では、ジェリーベリーをもってしても、日本人はジェリービーンズを愛する日はまだ遠いのかもしれない。
レーガンは大好きだった しかしまぁ、こんな田舎に来る機会はないかもしれないが、もしかしたらサンフランシスコからサクラメントに来る途中で、こういう施設を観るのも悪くないと思う。ジェリーベリーが好きになるかどうかは別にして、数え切れないほどのジェリーベリーが製造される工程は観ていて非常に面白いし、下から2番目の写真にあるように、ジェリーベリーをモザイクのように使ったアートなど、他では見ることのできないものも展示されている。ちなみに、このロナルド・レーガン元合衆国大統領にして元カリフォルニア州知事は、ジェリーベリーの大ファンで、執務室には必ず、このお菓子の入れ物があったらしい。
 え、いくら言われても、甘いモンはだめ?
 じゃぁ、この街にはもうひとつの有名な工場見学スポットを紹介しよう。それはバドワイザーの工場だ。見学後いろんなビールを2種類まで試飲させてくれるし、オリジナルグッズも面白い。左党の方はこちらへどうぞ。
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